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モントージャ、ニーニョ・リカルド、サビーカス、パコ・デ・ルシア、と連綿と続くギターラ・フラメンコの歴史的名手の若手ナンバーワン・ギタリスト。徒にポップ・ミュージックとフュージョンせず、また伝統の殻に閉じこもりもしないしない姿勢はこの音楽家のフラメンコ音楽と世界音楽双方に対する自己意識の高さがうかがえる。本作ではオーケストラとカンテ／ギターラ・フラメンコの融合が見られ、またそこに詩による物語世界を時間機軸に置く事でドラマツルギーを構築している。オーケストレーション・アレンジはブローウェル。残念ながら良くある管弦楽つき民俗音楽の域は脱していない（いや、非西洋音楽に限らず、西洋のギター協奏曲というフォーム自体が、いまだにオーケストラとの融合を果たせた形相を示せていない構成ではある）が、こういった一歩がなくてはフラメンコは科学や哲学などの芸術外文化が明らかにしていく真相に照応する深化を果たせないと思えるが故に、意義ある挑戦と思える。これが次の歴史に繋がってくると非常に意味を持ってくるだろうし、繋がらなければ企画が示した意図は保留されたまま残るだろう。録音は合理性にもこの音楽の特性への配慮も欠いた非常に安易なもので、このあたりは商業レーベル故の意識の低さか。