ひとつ前の作品となる『ライブ・アット・タロー』の約半年後、同じくタロー(当時PIT INNと並び新宿の二大ジャズクラブのひとつであった)で録音された作品。高柳塾生の田辺義博がライブを録音し保管していたカセットテープから制作したが、カセットテープでの録音とは思えない、臨場感のある記録となっている。
演奏メンバーも『ライブ・アット・タロー』とまったく同じだし、曲目もリー・コニッツの楽曲が中心だったり『You’d be so nice to come home to』を再び採り上げているなど似ているが、一聴して半年前のタローでの演奏とは異なる、軽やかさや聴き手をくつろがせる味わいもふんだんに取り入れたとわかる演奏だ。1978年から始めた“セカンド・コンセプト”(独自の方法論によるフリージャズを“ファースト・コンセプト”と位置付け、クール・ジャズの演奏を“セカンド・コンセプト”と命名した)が、次作『COOL JOJO』(1979年)でひとつの完成へと到達する過程を、11曲/1時間45分に及ぶ音源でたっぷり堪能できる二枚組みアルバムである。 |