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豊住芳三郎の単独リーダー作とすれば、79年に ALMからリリースされた「マスターピース」以来、何と25年ぶりのアルバムになる。(中略)さて、本作は当時若手のミュージシャン達によって組織された EXIAS-Jとの共同作業によって生まれたアルバムだ。豊住と彼らは、国内外のツアーで、それまで足かけ3年の経験を積んでいた。単にこの機会に集まってセッションを行いましたと言う安易な(即興演奏の場合、逆にこれが何かの発火点に火を付ける場合も起こるので、一概に批判は出来ないのだが)レコーディングではない。豊住の他は、 EXIAS-Jの中心的存在の近藤秀秋 (gut guitar)。エレクトリック・ギターでは激しい演奏を聴かせる彼だが、ここではガット・ギターに専念している。このガット・ギターだけを使ったところにこのレコーディングの特徴が窺い知れるところだ。飯塚知( as,ss)彼は62年生まれの土岐英史に師事し、ジャズからフリー・インプロヴィゼイションに参入して来た実力派。河崎純( b)は、豊住と同じく日本フリー・ジャズ、フリー・インプロヴィゼイションを最先端で開拓して来た吉沢元治に師事した作曲家としても優れた素質を持っている。全5曲、時に爆発的瞬間もあるが、全体的に静的な演奏が続く。「フリー・ジャズ・ドラマー・豊住芳三郎」と言った紋切型の文句を想像すると、聴いて泡を吹く事になろう。カルテットの4人全員が、上空から見下ろして、全体を俯瞰しながら演奏している様が見える。繊細にして強靭な演奏で、即興演奏の究極の姿がここに現出。高度な技量と洞察力を持っているからこその演奏だ。(末冨健夫、「chap chap music」LP/CD review vol.11)