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モノクロームのキャンバスに極彩色の魂の音色がほとばしる。というキャッチコピーが、この作品の内容を見事に言い表わしている。ジョン・ゾーンとのデュオ作品『巌流島』や『ロダン』などの名作を発表している佐藤通弘の初の津軽三味線ソロアルバム。津軽三味線ひとつで、世界中を演奏して回っている彼の弾く音色は、他の津軽三味線の奏者とは違う、完全にジャンルを越えた新しい音を響かせている。今回のソロアルバム羽、津軽じょんがら、世去れ節、十三の砂山、津軽あいや節など、土着的な民謡と佐藤通弘の鋭く研ぎ澄まされた感性との対比が、思いもかけなかった新鮮な日本のアヴァンギャルドとして８つの古典を甦らせている。まだ36歳という若さでこれだけ深く鋭い音色の津軽三味線の世界を創りあげてしまう力量には驚くばかりだ。さすが全国大会で２年連続優勝しただけのことはあると深く聴き入ってしまった。ロックのギタリストの若者たちも、この三味線には感動すると思うが。　（木戸極地、『G-Modern』vol.3）