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1965年のニューポート・ジャズフェスティバルより、ジョン・コルトレーン John Coltrane とアーチー・シェップ Archie Shepp のパフォーマンスを収録したディスク。LP発売時はコルトレーン１曲とシェップ４曲のパフォーマンスを収録していたが、CD化されてからはそれぞれ１曲ずつが追加収録されている。また、シェップのプログラムに関しては、初CD化された際とは曲順が入れ替えられているが、これは実際のステージでのパフォーマンスに準じた配慮と思われる。 コルトレーンカルテットは、マッコイ・タイナー McCoy Tyner (pf)、ジミー・ギャリソン Jimmy Garrison (b)、エルヴィン・ジョーンズ Elvin Jones (dr) というモード期の黄金カルテットによるパフォーマンスで、ピアノが全体を統括し、管がジャズ的なスケールアドリブからより自由な位置で表現を目指す。特に第１曲"ONE DOWN, ONE UP" でのパフォーマンスはそれを端的に示した好例で、主旋律たるサックスのプレイは恐らくモードスケール自体を既に重要視せずとも成立する演奏フォーマットを獲得している。 対してシェップのカルテットはボビー・ハッチャーソン Boy Hutcherson (vib)、バール・フィリップス Barre Phillips (b)、ジョー・チェンバース Joe Chambers (dr) という編成で、シェップのデビュー時の室内楽的な構成とアドリブ即興的なプレイによって明確に組織化された音楽を展開する。これはレコードデビュー後の初期シェップ音楽に共通して見られるコンセプトだが、本作はライブパフォーマンスという事からかあ取りあげられる機会が少ないように感じるが、間違いなく初期シェップ最良のパフォーマンスのひとつ。対照的なふたつのカルテットのパフォーマンスいずれにも共通しているのが、エンタテインメントや大家模倣主義ではない地点に成立していた非常に短かったジャズ最良の季節の記録でもある。（近藤秀秋）