豊住芳三郎と阿部薫のデュオには、OVERHANG PARTY というユニット名がつけられている。このユニット名が、ALM Records からリリースされた阿部薫の生前に出された最後のアルバムのタイトルともなった。そして、このアルバム『蝉脱』は、それから4半世紀後にリリースされた続編ということになる。
豊住は、このユニットには特別な思い入れがあるそうだ。演奏家と音楽が完全に合致している表現形態である演奏行為という意味で、このユニットは確かに豊住という唯一無比のインプロヴァイザーの音楽性が最も強く反映されたものといえるかもしれない。それは阿部薫にしても同様で、彼が最後まで共演者として望んだのが豊住であったという理由は音にあらわれている。日本という特別の土壌で、それが形骸化する前に生まれた最良のジャズの歴史的録音。LP2枚組、限定500枚制作。